京都祇園観光案内(テスト運用)

2001年04月16日

都をどりの楽屋裏

今、都をどりは4月1日から30日まで、1日4回の公演どす。始まってから半分を過ぎ、をどりもようやくこなれてきた頃どす。この間、舞妓ちゃんは全員25日、若手から中堅の芸妓はんは20日、舞・お囃子に出演しはります。大きな姉さん方は10日間、舞だけに出演しはります。(歳いくとしんどい)地方はんは、15日どすけど大きなお姉さんにはしんどい事どす。立方はんと違うて、1時間の公演中はずっと座り続けてんなりまへん。今年は、素人さんが4人出てはりますけど最後まで頑張れますやろか?

もっと大きな姉さんは都をどりには出やらしまへん。大体の目安は還暦くらいどっしゃろか。後は温習會だけちゅうことになんのどす。地方の幸長はん、立方の小まめはんとか里春はんみたく、もう今は舞台には立たはらへん現役の芸妓はんもいてはります。(皆さん、80才以上どす)

朝は舞妓ちゃんらは、10時頃に楽屋入りします。大きい姉さんなんかは、もう少し遅うにご出勤どす。せやから、髪結いさんには朝6時頃から行かんならんときもおす。で、4回の公演済まして急いで着替えしてお座敷を駆け回って終わるのんが十二時、一時。中には過労で倒れはる妓もいたはりますさかい、ほんま体力が勝負のひと月どす。

部屋は立方はんは、総踊りと中挿の組とで別れてます。後、地方はんの部屋、浄瑠璃はんの部屋に別れとります。このお部屋、中で着替えしたり、化粧したりしてはるんやし原則男子禁制どす。え、どないしても入ってみたいて。まあ手だては無いことはおへんけど、歌舞練場の裏口あたりで待ってて出前のにいちゃんを捕まえ、お金つかまして衣装と出前の弁当貸して貰いますねん。ほなら、大きな顔して楽屋へ入っていけますえ。試してもろてもよろしいけど、責任は一切持ちまへんので...。

若い舞妓ちゃんらにとっては、このをどり期間中しんどいのはしんどいのんどすけど、みんな集まってなんや修学旅行に来たみたいな感じでわいわいきゃあきゃあ云うとります。おまけに部屋の中は、支給のお弁当にご贔屓さんからの差し入れ、大きいお姉さんからの振舞と食べ物だらけどす。「お箸一膳あったらひと月食べていける」て云われるぐらいどす。食べ盛りの舞妓ちゃんにとったら、猫にかつぶし、かっぱにきゅうりみたいなもんどして、なんぼをどりで体力使うたかて、をどりが終わる頃にはしっかり身についとります。「をどり肥り」ちゅうとこどすな。まぁ、ひと月間ご苦労さんどすぅ。

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投稿者 八代目 : 16:08 | コメント (0) | トラックバック

2001年04月01日

都をどり

いつの間にやらお茶屋はんの門々に、歌舞会から配られたつなぎ団子に都をどりて書かれた提灯に灯が入って、祗園町は段々と華やかさを増してきます。そう、今日から「をどり」が始まるんどす。

この都をどりの歴史はて云うと、明治5年に初演されたもんどす。当時、明治天皇はんが東京へ行幸しはって、京の町もなんやさびれた感じに包まれとりました。何か活気づけるもんはないやろかて云うて明治4年秋に開いたんが、日本最初の博覧会「京都博覧会」どす。

そのときの附博覧(余興)ちゅうことで、一力亭の主、九世杉村次郎右衛門はんと三世井上八千代はんが伊勢の「亀の子踊り」をヒントにして創案しはったんが都をどりの始まりなんどす。それまでは、座敷舞が殆どどしたさかい宝塚のレビューみたいな「総をどり」は当時としてはそら画期的なもんどした。

都をどりの名前も最初は、「みやびをどり」にしよちゅう話やったんを、井上八千代はんが、「みやこをどり」はどうどすやろちゅうたところ満場一致で決まったらしおす。で、三世が「皆はんがお考えやしたみやびていう名はうちが頂きます」それ以後、井上流の舞の会は「みやび会」てなったんどす。

肝心の第一回の都をどりは、そらもう大盛況どした。気ぃ良ぅした杉村はんが八千代はんに「褒美は何なりと」て云わはったところ、さすがは八千代はんしっかりしたはります。「ほな、今後祗園の舞は井上流だけにしとぉくれやす」て云わはったらしおす。そんな訳で、今でも祗園甲部の舞は井上流だけなんどす。

今は、一日4回公演どすけど、ちょっと前までは5回、ひどいときは6回公演ちゅうのもあったらしおす。そのとき歌舞会から差し入れでくれはんのが「にぬき一つ(京都弁講座参照)」どしたんやて。大きいお姉さん方、いまだに根にもったはりますえ。会期も前は48日ちゅう長期間のときがあったんどすて。勿論その間はお休みなしどす。連日公演済まして、着替えもそこそこにお座敷に走って行かはります。(労基法はここでは通用せえへんのやろか?)祗園のお姉さん方はほんまお元気どすぅ。

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投稿者 八代目 : 16:07 | コメント (0) | トラックバック
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