鋪装が石畳になってから、花見小路には仰山の観光のお方が歩いてはります、土日なんてまるで新京極状態どす。その花見小路にまた提灯がぶら下がっとります。秋に都をどり? いえ、よう見て貰うたらわかります、「温習會」・おんしゅうかい、て書いてます。
去年は、五世家元の襲名披露が秋にあったもんで、この温習會はおへんどした。せやから初めて出る舞妓ちゃんがようけおります。10月1日から六日間、一日一度の公演どす。4時に始まって、その日のだしものによって多少のずれはおますけど、2時間ちよいちゅうとこどす。都をどりが1時間ほどなのに比べたら、結構長時間どす、舞の苦手なお方には苦痛な時間やて思いますけど。
内容は、長唄・地唄・常磐津・清元、今年は素囃子もあって楽しみにしとります。それに都をどりでは見られへん大きなお姉さんも出たはりますさかいに。
都をどりが済んだら早々と判取帳が廻って来んのどす、出演の意志確認のために。そんときにだしものや共演者もわかります。
「え〜、今年もまた○×さん姉さんと一緒やわ、どないしょ」ちゅうても替えては貰えしまへんのやけど、配役決めはんのはお家元どっさかいに。
春の都をどりが、気候も伴ってお祭りみたいなんに対して、秋の温習會は芸・舞妓はんらの一年のお稽古の成果を発表する晴れ舞台どっさかいに、おっきなお姉さんでも、緊張して舞うてはります。新人の舞妓ちゃんらの心境は推して知るべし、どっしゃろね。初日の前の晩なんか眠られへんのとちゃいますか。
観に来たはるお客はんも、都をどりのときとは少し違うとります。花街関係者、舞踊関係者、舞の好きなお方と、さすが都をどりのときみたく、観光バスで乗りつけて来るような団体さんは来たはらしまへん。
「どないしょう、間違うてお扇子落としたら」
「どもあらへんて、あんたお稽古んときでもあんじょう出来てたやんか」
内心は自分も、どうしようもあらへんほど緊張してるのに、同期の妓を励ましとります、いえ、きっと自分自身に言い聞かせてるんやて思いますえ。
温習會が済むと、京の町には秋の訪れが近づいて来るのんどす。