京都祇園観光案内(テスト運用)

2001年10月30日

同期の舞妓

さて、今日は同期の舞妓のお話どす。
あんたとうちとは同期の舞妓 同じ祗園町の庭に咲く〜

前にも書かして貰うたて思いますけど、舞妓ちゃんは年齢に関係のう、店出しがたとえ1日でも早い方がお姉さん(先輩)てなって、この序列は死ぬまで変わらしまへんのどす。けど、同じ年に店出しした妓は、いわゆる同期として先輩とか後輩とかとはちょっと違う親近感を持っとります。昔から○人組とか云われた仲良しグループは大概、この同期の仲間なんどす。年いってからでも、年にいっぺんは集まって旅行したはるお姉さん方もいたはります。そんときは、花街を去った同期も一緒に集まるんどすて。

またあるお姉さんは、「屋形のお母さんとか、自分のお姉さんが亡くならはったときも悲しおしたけど、同期の○△はんが亡くなったときは、ほんまに辛おした。いつも一緒どしたさかいにねぇ、おっしょはんに叱られたときに慰め合うたり、お稽古場では、お互いあの妓には負けとうないて気張ってお稽古したもんどす。男はんの世界で云うたら『戦友』みたいなもんどっしゃろか」て、しんみりと云うたはりました。

けど、最近は舞妓の数がめっきり減って来たんで、中には同期が一人もいてへんちゅう妓も出てきます。そんな妓に聞いてみたら、
「うちだけ同期の妓ぉがいてへんのんは、やっぱりさみしおす」
て云うたはります。お稽古場とか、舞台ではお互いにライバルなんどすけど、普段なんかは、ほんに仲のええお友達。
「なぁ△□ちゃん。お昼何食べたい?」
「せやなぁ、今日もお稽古でおなかへったし、盛京亭はんで八宝菜に酢豚と焼飯。あとビール飲まへん?」
「ええなぁ、けどうちすぐに顔に出るさかいに分かってしまうわ」
「かまへんて、ちょっとぐらいやったら分からへんて」

こないなこと、先輩や後輩とは話しでけしまへん。一緒に買い物行ったり、お好み焼き食べたり、たまにはいけずなお姉さん、好かんお客はんの悪口も(笑)そんな気のおけん同期がいてへん妓は、やっぱしちょっとかわいそどすなぁ。

「○×ちゃん、なんやおとなしいな、誰ぞ他に呼んだげよか」
「ほんまどすか、ほな△□ちゃん、△□ちゃん呼んどぉくれやす!うちと同期なんどす。」
「なんや、また舞妓ちゃんかいな、まぁええわ呼んだげよか」
「ひゃあおおきに、ほなお母はん、すんまへんけど△□ちゃんたんねとぉくれやす」

しばらくしてやって来ると、二人できゃっきゃと賑やかなこと。さっきとは顔つきが違うとります。

「ちょっと、あんたらなんえ、せっかく呼んでくれはったお客はん、放っといたらあきまへんがな」
「すんまへん、お母はん」ちゅう声もハイテンションで、しばらくは相手してくれたかて思うたらすぐに元通り。

こっちも諦めて、おかん相手に話ししとります
「久しぶりに、天麩羅でも食べに行こか」
「○×川はんどすか?そない云うたら長いこと行ってぇしまへんなぁ。ほないつにしまひょ?」
すると今まできゃっきゃと騒いでた妓が振り向いて
「え、天麩羅どすかぁ、うち大好きどすねん。なぁ、△□ちゃんも好きやんなぁ」
「へぇ、うちも大好きどす。おいもさんにあなごさん、それとかき揚げ。あ、よだれ出て来た(笑)一緒に連れっとぉくれやすぅ」

食べもんの話だけはしっかりと聞こえてるみたいどす。

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投稿者 八代目 : 19:38 | コメント (0) | トラックバック

2001年10月01日

晴明はん

今日は今話題の人物のお話どす。安倍晴明(あべのせいめい)今若い女の子の間で一大ブームとなってるお方どすけど、皆さん知っといやすか?

祗園のおかあはん方は、今でも舞妓ちゃんの店出しの日取りやら、名前やらを安倍晴明はんを祀った晴明神社(晴明はん)までたんねに(※京都弁講座参照)行かはります。 この時代にと思わはるかも知れまへんけど、おかあはん方は小さいころから見てきたことを当たり前のように信じて守り続けたはるのどす。

彼は現代ではさしずめ、ゴーストバスターズちゅうとこでっしゃろか。 桓武天皇が遷都した平安京には、彼が決まっていた皇太子を策謀で引きずり下ろして自分が立太子したり、我が子を皇太子にするために弟はんも濡れ衣をきせてなきものにしたりと、結構あこぎなことしやはったせいで、怨霊・魑魅魍魎・鬼など異界の魔物が日暮れどきになるとぎょうさん出没して、町の人もしょっちゅうえらい目に合うてはったらしおす。

そこで、いつまでも魔物を放っておくわけにはいかんちゅうて、現れたんが当時大陸から伝来した呪術、陰陽道(おんみょうどう)の修業をつんで呪力を持った陰陽師なんどす。中でも一番の力を持ち、「大鬼王・だいきおう」て呼ばれたんが安倍晴明はんどす。一種のエスパー(超能力者)どっしゃろな。なんでもうわさでは、彼の母親は信太山・しのだやまのきつねはんやったんどすて。昔からとびぬけた霊能力を持ってはるきつねとの混血どすさかい、それが彼を希代の陰陽師にさせたんやないかて云われとります。

彼は、鬼を捕まえて来て飼いならした「式神・しきがみ」ちゅうのんを一条戻橋の橋の下にぎょうさん飼うてはって、いるときには連れ出してさまざまな呪術に使わはったらしおす。 魔界のもんを鬼に始末させる。まあ毒は毒をもって制す、ちゅうとこどすやろか。 一方、この陰陽師魔物退治だけやのうて、人からの依頼で誰かはんを呪い殺したりちゅうこともやってたらしおす。その時もこの式神を使うてたんどすて。

今まで元気やったお人が急に亡くならはったりしたら、きっとそばには式神がいてますえ。 皆はんのまわりは大丈夫どすか? え、心配になって来たやてほなら、魔除の呪文をお教えしまひょ。「南莫三曼多、縛日羅赧、憾・ナウマリサンマンタ、バサラタン、カン」これで大丈夫て思いますけどぉ...

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投稿者 八代目 : 19:37 | コメント (0) | トラックバック
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